ゆずのブログ 〜知的障害のある子の育児やその他いろいろな話〜

特別支援学校に通う知的障害(中等度)の子ちーちゃん(現在10歳)を育てる親。 上の子もいてわりと年齢は上ですが、障害児ママとしては初心者。ちーちゃんの将来が1番の心配。

「知的障害」と「発達障害」と「自閉症」

我が子は、中等度の知的障害です。
療育手帳にそう書いてあります。
だから特別支援学校に通っています。

そして、それ以外の診断名は付いていません。

 

我が子の通う支援学校の同級生の親御さんは、お子さんに知的な遅れがある場合でも、医学的な病名があればもちろんその病名の方をおっしゃるし、身体的な病気や障害が無ければ「発達障害」「自閉症」とおっしゃる方が多いです。たまたまかもしれませんが...。
「うちの子は知的障害です」と言う(それ以外言うことがない)のは私だけです。

以前に病院で
「うちの子は、自閉症とかそういった診断名はつかないんでしょうか?」
と聞いてみました。
するとお医者さんに
自閉症スペクトラムの傾向はあるが、診断名をつけた方がよければつけますけれど...」
と言われました。私は
「え?診断名って親の希望でつけるものなの?」
と混乱し、その場では
「いえ、必要なければいいです...」
と答えてしまいました。


その後、相談支援員の方に
「診断名は付けてもらった方がいいのでしょうか?」
と尋ねてみたところ、「自閉症だからこういう対応」「発達障害だからこう言う対応」というように診断名によって対応が決まるのではないこと。
同じ診断名でも、必要な支援は個人によって違いがあり、人によって適切な対応が異なるため、「個人個人に必要な対応をする」という感じであること。
だから診断名は必須ではない、と言われました。

それからネットで色々検索したり、知識習得に努める中で、
発達障害自閉症は知的な遅れを含まないので、知的障害とは違う訳だが、発達障害と知的障害に対して福祉施設が行う対応は共通した部分が多いということも理解しました。

だから、自閉症傾向とはいえ症状がそこまで強くないうちの子の場合は、診断名が付いていなくても、不利益は無いのだろうという結論に達しつつあったのですが、
ネット検索をいろいろする中で、考えが変わってきました。


発達障害」や「自閉症」は、比較的新しい名称であり、行政からも様々な周知のためのキャンペーンやイベントがなされ、それをカミングアウトする方も多く、認知度が高い。
知的な遅れがなく、カミングアウトの仕方が上手な方が多い。
少なくとも、支援的な、意識が高い文脈で語られていることが多い。テレビなどで取り上げられることもある。

一方で「知的障害」は、昔から存在を知られているためか、行政からの周知キャンペーンは少ないように思う。
それゆえ世間の意識がアップデートされていないということなのか、「知的障害」という言葉が差別的な文脈で使われているのをよく見かける。
メディアが取り上げられることも少ない気がする。
多くの人は、知的障害についてほとんど知らないのではないだろうか。
知的障害に関する周知活動は、明らかに不足しているように思う。

 

そして、世間に知的障害についての理解が浸透していない現状では、もしかしたら「知的障害です」と言うよりも、「知的な遅れを伴う発達障害自閉症です」と言う方が、世間に理解されサポートを受けやすいのかもしれない?
そうだとしたら、「自閉症」という診断名を「つけてもらう」ことには意味がある?

 

知的障害と判定済みのうちの子に、あえて「自閉症スペクトラム」の診断名を追加することは、福祉や医療の観点から見ると、あまり意味がないのだと思う。
しかし、もし、診断名がつくことで、世間の理解を得やすくなる、本人が生きやすくなるのかもしれないと思えば、意味があるのかも...。

 

私は、専門家でなく素人なので、とんちんかんなことを言ってたらすみません...💦

 

昨今のLGBTのように、知的障害とはどんな障害なのか、どんな対応が必要なのかについて、世間に周知するキャンペーンがもっと必要なのではないかと思う。
知的障害についての世間の理解が深まることが、子どもたちが生きやすい世の中につながると思うから。。

 

「知的障害」と「発達障害」と「自閉症」。
わかった気になっても、やっぱり分からないことが出てきて、素人の私は、それらの言葉に翻弄されてしまっています。
数年後には、「あの時はなんであんなことに悩んでたんだろう?」と思うのかもしれないけれど。。
いろいろなことを考えてしまって迷走中。。💦

 

★この話の後日談はこちら〜

yuzuchiaky.hatenablog.com

 

移動支援サービスを結局利用できなかった

知的障害(中等度)の子どもを育てています。

知的障害があるため、交通ルールを理解して自分で目的地へ移動することはできません。
だから、どこへ行くにも付き添いや送迎が必要です。

これまで、親である私が仕事があるので、子どもに余暇活動や習い事をさせたいと思ってもなかなかさせてあげられず、子どもは、学校・放課後デイサービス・自宅を往復する日々でした。
しかし成長するにつれ、将来的な居場所作りも見据えて、本人も憧れているスポーツをさせてあげたいと思うようになりました。
しかし送迎や付き添いをどうしようかと思っていたところ、「移動支援」という外出支援サービスがあることを知りました。


移動支援は、障害のある人々の外出に付き添ってくれるサービスです。
障害者の方々の「通院」や「日々の買い物」などの生活に必須の行動だけでなく、社会参加や余暇活動への付き添いも頼めるそうです。

 

私は、この移動支援サービスを利用して、子どもが、障害児向けスポーツ教室に参加できたらと思いました。

しかし結果的に、移動支援サービスを利用することはできませんでした

 

その理由はいくつかありましたが、一番大きかったのは、公共交通機関かタクシーでの外出の付き添いしかできないと言われたこと(交通費やタクシー代は実費)


私の知識不足で、移動支援サービスを行っている事業所の車での、送り迎えをお願いできるのだと勘違いしていました。


公共交通機関と言っても、ここは電車が整備されている都会ではなく、車が移動の中心の田舎であり、公共交通機関といえばバスしかありません。
しかしバスは便数が非常に少ないし、路線もちょうどよいのが無く、ものすごく遠回りしなくてはならない。実質、バスでの移動は現実的でない。

 

でも、毎週タクシー代を何千円も使って、移動支援サービスを頼むのは敷居が高い。
(中等度の障害であるため、タクシー割引などもほとんど無い。)


結局、仕事を減らして、親が送迎するしかないという結果になりました。

 

他にもいくつか理由がありましたが、おいおい書いていきたいと思います。

 

元々子どものためにフルタイムを辞めてフリーランスになった私ですが、子どものために何かしてあげたいと思うたびに、どんどん仕事時間が制限されていき、収入が減っていきます。
移動支援サービスを利用し、仕事はできる限り減らさずに、子どもの希望するスポーツ教室通いを実現したいと思いましたが、叶いませんでした。

これは障害児の親だからというだけではなく、ワーキングマザーに共通する問題だと思います。
私自身、障害のない上の子の時、自分が仕事があるので、習い事をさせられないという悩みがありました。

しかし障害のない子は、成長すると、習い事の最中の付き添いが不要になっていき、最終的に自力で習い事に通うことができるようにもなるので、成長と共に悩みが解消される部分がありました。

しかし障害のある下の子の場合は、送迎や付き添いが必要なくなる将来は、考えられない。。

 

移動支援などの外出支援サービスは、様々な方がそれを活用して恩恵を享受している、素晴らしいサービスかと思いますが、私たち家族にとっては、結局使うのが難しかったです...。

悲観的な気持ちになってしまいました。